1. デジタルワークプレイス for Zoom
  2. 「Zoom Rooms」導入支援サービス
  3. 【導入事例】山形県鶴岡市

中山間地域にある市の出張所での行政手続きを遠隔サポート。市民サービスの利便性を強化
【山形県鶴岡市】

地方自治体 行政サービス 高齢者

山形県鶴岡市は全国で7番目に広い市域面積を有し、中山間地域も多いため、距離が離れた庁舎間の移動が課題となっていました。そうした中で「 Zoom Rooms (※1)]を用いたオンラインコミュニケーションを積極的に取り入れることで移動の手間やコストを削減しました。さらに同市では、Zoom会議を応用して、書類申請目的で出張所に来訪した市民を遠隔サポートする取り組みも開始。この「遠隔相談システム」は利用者からは高評価を受け、導入地域のさらなる拡大が期待されています。

課題

  • 鶴岡市は面積が非常に広く、庁舎間の移動に時間がかかるため、対面以外で効率的にコミュニケーションできる仕組みが必要
  • 出張所で行う市民の書類申請手続きで間違いや記載漏れなどがあると職員、市民双方にとって負担が大きかった

効果

  • Zoomを用いた遠隔コミュニケーションにより、庁舎間移動の手間やコストを低減
  • 出張所側に書画カメラを設置して申請書類を映しながら手続きを行うことで、庁舎職員がスムーズな対応を行えるように

6市町村の合併により東北地方で最も広い鶴岡市

2005年に6市町村の合併により新たに発足した山形県鶴岡市は、東北地方にある市町村の中で最も大きな面積を有し、約12万人が暮らす市です。

庄内藩の藩庁として発展した歴史から、市街地は城下町の雰囲気が色濃く残り、3つの日本遺産「出羽三山」、「サムライゆかりのシルク」、「北前船寄港地」を有することでも知られています。また、豊かな自然に育まれながら、数百年にわたり大切に受け継がれてきた食文化は、2014年に日本で初めて「ユネスコ食文化創造都市」に認定されました。

産業分野では、2001年に開設された慶応義塾大学先端生命科学研究所を発端として、官民・官学連携で世界最先端の研究をする鶴岡サイエンスパークが誕生。生物データを網羅的に解析して得られる大量のデータを活用する「統合システムバイオロジー」をはじめ、多くの研究が行われ、研究成果を基に9社のバイオベンチャーが生まれています。

距離の離れた庁舎間のコミュニケーションに課題

面積が広く、森林面積が7割を占める鶴岡市では、市街地から遠い場所に住む市民も多く存在します。そのため、旧6市町村それぞれに庁舎があり、地域によっては出張所が設けられていますが、移動に多くの時間を要することは職員と市民双方にとって悩みの1つでありました。

「会議を開くにしても職員が各庁舎から移動するのに時間はかかります。また、行政手続きなどにおける市民の皆様の利便性という観点でも、遠方にお住まいの方の移動に要する負担は課題に感じていました」と、鶴岡市のデジタル化戦略推進室長 佐藤正直氏は話します。

同市では、2020年から拡大した新型コロナウイルスの影響を受けて、「Zoom Rooms」を用いたオンラインコミュニケーションの仕組みを採用しました。庁舎間の会議や各庁舎で開催されるイベントなどで広くWeb会議が活用されるようになりました。

一度、モニターやマイクなどの機材をセッティングして各種設定を行えば、いつでもすぐにWeb会議ができるのはZoom Roomsの特徴です。Web会議のたびにカメラやマイクの接続を調整する必要がなく、また複数人で参加することができます。

「個々人にライセンスを付与することなく、会議を行う部屋を利用する人であれば誰でもすぐにWeb会議を利用できるZoom Roomsは利便性が高いと感じています。Web会議を行う可能性がある職員全員に『Zoom One(旧:Zoom Meetings)』のライセンスを付与するのはコスト面から現実的ではありませんし、職種によっては自身のPC端末を持っていない人もいますので」と佐藤(正)氏はZoom Roomsのメリットを語ります。

書画カメラを活用したリモート書類申請の仕組みを構築

 遠隔地間のコミュニケーション基盤としてZoom製品が広く活用され、その実用性を実感した鶴岡市は、2022年1月からある実証実験をスタートさせました。それはZoomと書画カメラを組み合わせて、市民の書類申請対応を別の庁舎の職員がオンライン上からサポートするというものです

この実証実験を行ったのが、鶴岡市南部の山間部に位置する朝日庁舎朝日庁舎南出張所です。

朝日庁舎
朝日庁舎南出張所

両拠点間の距離は12km以上。雪が積もる冬季には車でも片道25分程かかる距離です。地域で暮らす方々にとって、朝日庁舎への移動は大きな負担となっていました。リモートで書類申請を効率化するニーズが強い拠点でした。

「簡単な申請などは出張所の職員で対応できますが、複雑なケースや、鶴岡市以外の機関が発出した書類を持参し相談においでになる市民の方もいます。その場合、これまでは出張所の職員が朝日庁舎の職員に電話で質問しながら対応していました。又聞きになってしまうことから行き違いが発生したり、市民の方をお待たせしてしまったりすることもありました」と、鶴岡市の朝日庁舎 市民福祉課 菅原新一氏は実証実験前の状況を振り返ります。

他機関の書類などの場合は朝日庁舎の職員も実物を確認できないため、市民の方が記入して出張所の職員がFAXで送信したものを確認したうえで、訂正箇所を指示して市民の方に再度記入してもらうケースも多くありました。このような手間を減らし、業務を効率化するために構築したのが、出張所の窓口にある申請書類を撮影して画面上に投影しながら、来庁者と朝日庁舎の職員がオンライン越しに会話できる仕組みでした。

「この実証実験はNRIと協議を重ねながら進めていきました。システムの導入や機器の設置などはNRIが全面的にサポートしてくださったので心強かったです。」と菅原氏は話します。

実証実験では、朝日庁舎南出張所に書画カメラと接続したデスクトップPCを設置。朝日庁舎側もタッチペンで記入できるPCでZoomに接続し、書類をリアルタイムに確認しながら必要に応じて注意点を説明・記入して来庁者の対応を行えるようになりました。

朝日庁舎と朝日庁舎南出張所でのZoomの画面イメージ

「朝日庁舎南出張所を利用される方はご年配の方が多いので、初めて遠隔相談システムを利用される方でも違和感なく、一緒に申請書の記入ができる配置を心がけました。」と、鶴岡市 朝日庁舎 市民福祉課長 佐藤智井氏は話します。

その後、実際に市民に使ってもらいつつ、利用者へアンケートを実施。そうしたフィードバックを参考にしながらデバイスやWeb会議の微調整を繰り返すことでシステム改善を続けています。

利用者の9割超から高評価を獲得

来庁者応対のために、現在では南出張所に設置されたPCと朝日庁舎のPCはZoomで常時接続しておき、出張所が呼びかけると朝日庁舎側の職員がすぐに対応できる形をとっています。当初は朝日庁舎職員による対応が必要になる場合は、まず電話をして呼び出していましたが、よりスムーズな市民対応を模索する中でこの方法をとることにしました。

「実際に書画カメラで撮影した申請書類に対して、コメント機能を使って  タッチペンで記載箇所を示すことにより、記入ミスが大きく減少しました。電話でやり取りしていた業務が、同じ画面を見ながらリアルタイムに会話をしながらできるようになったため、市民の皆様とのコミュニケーションも深まったと感じております」(菅原氏)

書画カメラで撮影して共有された申請書類データはPCから印刷できるため、改めてFAXし直さなくて済む点は実用的であると言えるでしょう。また、申請が受理されれば出張所で住民票の謄抄本などの証明書をスピーディに受け取れる点もメリットです。

「新しいシステムでしたので、当初は職員も含めて戸惑う面はありました。しかし、数カ月使う中で職員も市民の皆様も使い慣れてきて、今では当出張所に欠かせないサービスになっています。以前のような行き違いがなくなった分、申請がスムーズに進むことで職員の業務効率化にもつながっています」(佐藤(智)氏)

実際に今回の実証実験に関するアンケートでは、利用者の9割超から高評価を得ており、「実際に画面で見られるのでわかりやすく助かる」「便利になったので今後もぜひ続けてほしい」という声が寄せられています。

朝日庁舎南出張所に設置されている実際の遠隔相談システム
申請書類を書画カメラで映しながら、Zoom経由で朝日庁舎側の職員がリアルタイムにサポート

Zoomを活用しながら、より便利な市民サービスを目指す

2024年度の新庁舎利用開始に向けて準備が進められている朝日庁舎。今回の新ソリューションの試験導入を担当したお二人に今後の目標をお聞きしました。

「現状は市民の皆様から相談を受けた南出張所の職員が、朝日庁舎の職員を呼び出すという形をとっています。将来的には、南出張所に来られた市民の方自身が朝日庁舎の職員を呼び出して、気軽に相談できるようにすることで、より身近に感じていただけるサービスにしていきたいです。現在、NRIとともに呼び出しボタンを用いたシステムの実証実験も計画していますので、早期に実現したいと思います」(菅原氏)

 「南出張所からの申請書類に関する相談を電話とFAXで行っていた時は、利用される市民の皆様も少なからず不安を感じていたかと思います。今回の実証実験で多くの皆様から高い評価を得られたことを契機として、他庁舎への展開、他サービスとの連携などを進めていければと考えています」(佐藤(智)氏)

導入事例企業概要
会社名山形県鶴岡市
住所(本庁舎)〒100-0004
山形県鶴岡市馬場町9番25号
従業員数約1,000人
業種地方自治体
導入ソリューション

Zoom One(旧:Zoom Meetings)

Zoom Rooms

その他のデジタル化推進の取り組み

山形県鶴岡市様におけるデジタル化推進の実例をご紹介します。

「共創」を通じて地方のデジタル資本を整備し、社会課題を解決する~鶴岡市からの挑戦~

・デジタル化による鶴岡市の構造改革推進
【第1回】目標は「ローカルハブ」と「ウェルビーイング・コミュニティ」が連動する自立成長都市の形成
第2回:共創によるデータ連携を実現する鶴岡市デジタルワンストップ構想と実現体制

(※1)米国Zoom Video Communications Inc., の日本法人、ZVC JAPAN株式会社が提供

「Zoom Rooms」の導入をご検討のお客様へ

 NRIでは、現在Zoom Roomsの導入をご検討のお客様向けへ下記のサービスをご用意しております。

Zoom Rooms ツアー
 当社オフィスに実際に設置されている Zoom Rooms を体感いただけます。
Zoom Meetings との違いや、デモ会議の実施、周辺機器との接続など導入後の会議室をイメージアップいただける機会をぜひご活用ください。

無料トライアル
 「Zoom Rooms」をお試しになりたい方向けにトライアルライセンスをご用意しております。
 お申込み・ご相談は当社運営の「Zoom無料トライアルセンター」へお問合せください。

導入事例:Zoom Phone

NRI

松井証券株式会社様

インターネット証券のパイオニアとして、常にデジタルを活用した画期的な金融サービスを提供し続ける松井証券。同社では、イニシャルコストや維持管理コストが高いオンプレミス型のPBXからクラウドPBXへと電話環境のリプレースを検討していました。

NRI

株式会社野村総合研究所

コロナ禍を契機にテレワークやハイブリッドワークが推進される一方で、オフィスの固定電話の着信対応をどうするか、また従業員間の内線通話をどうすればよいかに悩む企業も多いでしょう。そうした課題を解決するために、これまでIP-PBXを活用していた野村総合研究所では、クラウドPBX機能を提供する「 Zoom Phone 」の導入を開始しました。

Zoomソリューション

Zoom phone

Zoomプラットフォームを利用したクラウド型電話サービスです。
使い慣れたZoom アプリ上で電話の発着信が可能で、設定も操作も非常に簡単。
別のアプリをインストールする必要もありません。

Zoom rooms

「Zoom」の会議室版である「Zoom Rooms」は、役員室・応接室から大きなセミナールームまであらゆるサイズの会議室に対応可能なテレビ会議室システムです。
大画面で画面共有し相手の表情も確認しながら、あたかも同じ場所にいるような臨場感のある会議が実現できます。

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